この作品って、どんな作品?

弦巻楽団「君は素敵」

難しい思考はご無用、ただ目の前で繰り広げられる世界に身を委ね、女たちを笑って眺められる作品じゃないかと。

初めましての方もお久しぶりの方も、こんにちは。元・セイサクでございます。
私は弦巻楽団の制作として、2006年の活動再開から2009年12月の第10回公演まで担当しておりました。…こうして書くと、たった4年間程。それまでほとんど芝居に関わったことのなかった私が、いろいろな形で皆様をおもてなしさせていただいたり、東京・愛知の公演まで参加させていただいたりと非常に濃い年月でしたが…短いもんですね。
気づけば楽団、徐々に団員が増えてる!当時は2人しかいなかったのに(私はまだ団員じゃなかった)!
海外公演まで!…頑張ってますね、弦巻代表!そしてやっぱり女子に囲まれているようで(笑)。  ph この作品『君は素敵』の初演は、第4回公演として2007年に上演されました。もう10年前!前年に札幌劇場祭大賞を受賞して勢いを増した楽団が、春を迎えて新緑が芽生えた5月の札幌で、当時学生だった役者を含めステキな女子ばかりで爽やかに上演された内容は…「もてない四姉妹による結婚詐欺師」。  ph なんて爽やかじゃない、穏やかじゃないテーマなんでしょう。まず、生活のために金が必要とはいえ、「もてない四姉妹」がなぜ「結婚詐欺師」なんだ。そして「騙された男への復讐」なんだ。できるのか、そんなこと?恋愛の成功経験が少なそうなのに、あの手この手の高度な作戦が必要と思われる詐欺師が、彼女たちに務まるのか?

そんな心配は、ある意味的中。しかし、なんやかんやと四姉妹、というより、そのうちの三姉妹は、失敗を繰り返しながらもいろんな経験を積んでいったのでしょう。なんとか稼業にしてしまうのです。
そこに現れる、依頼人を初めとするややこしい人々。それに対していろいろな作戦で勝負を挑む姉妹。そして徐々にあらわになる登場者たちの過去(そんなにスゴくない)。詐欺師なのに、騙し騙されて行く末は…こんな人たちにやがて幸せは訪れるのか?  ph と、ここまで書きましたが、私にとっては、いつもはポップな中にもどこか物憂げで救われない印象の楽団作品の中では、ライトでキャッチーで、いい意味でなんにも考えずに観られる作品。難しい思考はご無用、ただ目の前で繰り広げられる世界に身を委ね、ドジでマヌケでズルくて、やっぱりちょっと怖い女たちを笑って眺められる作品じゃないかと。
普段どっしりとした見ごたえを求めて劇場を訪れる方には、たまの息抜きに。ちょっと芝居に苦手意識がある方には、『芝居ってこんなにラフに楽しめるものもあるんだ!』と素直に感じていただけるのではないでしょうか。  ph シアターZOOでの11公演。小さな劇場で、皆さまで一緒に声を出して笑いながらご覧いただければ幸いです。

石上 エリ

弦巻氏が作・演出で参加した2004年の劇団東方的威風『青い鳥』の制作をひょんなきっかけで手伝ったところから、弦巻楽団本格始動時の制作にナンパされる。楽団では主に制作・宣伝美術を担当し、第10回公演終了後に退団。他に他劇団や演劇イベントにスタッフ・宣伝美術・衣装製作等で参加。
現在は仕事・家事・育児に奮闘中。最近、3歳になる娘が小芝居するようになってきたのが気になるところ。

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