演劇シーズンを定着させ、札幌の演劇の質を高めることを目指し様々な活動をしてきた「演劇創造都市札幌プロジェクト」は、今年、新たに提言趣意書をまとめました。演劇が産まれ・育つ場所、「劇場」への重点的で効果的な支援の必要性を提言し、「(仮称)シアターカウンシル」の設立に向けた、調査・研究を開始しました。
公共と民間の協同によるプロ芸術集団を札幌に。 プロの演劇人がいる街、札幌を目指す、8年前、その議論が始まりました。この挑戦はわたしたちが初めてではありません。多くの先輩たちが挑戦し、挫折を繰り返してきた課題です。それほど演劇が職業として成り立つ環境は厳しい、芸術というジャンルの多くがそうであるように。何故だろう?という疑問に始まり、やはり克服する課題ではないかと議論は始まりました。公共と、民間の協同によるプロ芸術集団が札幌という地方中核都市にあっていい、と私たちは考えます。先進国には当たり前のように存在し、国内の他の地域でもいくつかその試みはありますが、札幌、北海道ならではの独自の演劇集団の実現を目指したい、そんな思いから今回、より具体的な提案を多くの市民と一緒に考え、行動していきたいと思います。
演劇創造都市札幌プロジェクト 代表
蔵 隆司
いま新たなる飛躍をめざして、
「演劇創造都市札幌プロジェクト <新>提言趣意書」をとりまとめました。
私どもは「創造都市札幌」のプロジェクトの一環として、完成度の高い作品、幅広い層の観客が楽しめる作品等を創ることを主な目標に日々活動してまいりました。
そして今回、「民間」からの熱い意志を基礎に、「演劇による公共とは何か」をひろく議論し、多角的な視点からさまざまな実験、挑戦に取り組みたいと決意しました。経済や政治だけでは解決できない社会的文化的課題がたくさん顕在・潜在化している中で、「演劇みずからその課題にどう向き合えるのか」。札幌というまちで暮らしている1人ひとりに「演劇はどう関われるのか」。さらには “100 人の演劇人が活躍する街” をめざし、「札幌で演劇を創る意義は何か」、を問いかけ続けたいと考えています。
そして、10年後、50年後、100年後の札幌演劇の “創造” 的な姿を描き、文字通りの「演劇創造都市」に向けて、「民間と行政」が協力、協働し、「シアターカウンシル」をつくることを目標とします。いわゆる「シアター」(演劇の場)を中心に札幌の文化的価値・社会的価値・経済的価値を高めながら、多様な価値観が受け入れられる地域をめざしプロジェクトを行いたいと思います。
これが演劇創造都市札幌プロジェクト <新>提言趣意書の願いであります。
皆さま、その実現に向けてぜひご支援・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
演劇創造都市札幌プロジェクト 代表幹事
閔 鎭京
私たち「演劇創造都市札幌プロジェクト」は、2008年に札幌市内の演劇関係者数名で始めたアートマネージメント勉強会を経て、2009年「100人の演劇人が活躍する街を目指して」という最初の提言趣意書を策定して、活動を開始しました。最初の演劇シーズン「札幌演劇シーズン2012-冬」は、私たちのプロジェクトが単独で主催したものでした。その後、演劇シーズン実行委員会を構成し、シーズンの支援を継続するほか、年に数回、ゲストを招いてのフォーラムや、テーブルトークの開催、冊子「札幌演劇シーズンインタビュー」の発行など、札幌の演劇の創造・鑑賞環境の向上に向けて、様々な研究・議論を重ね、提案や活動をしています。
※下記の写真をクリックするとトークイベント詳細をご覧いただけます。
●代 表/ | 蔵 隆司 (宮越屋珈琲パリアッチ店主) |
●副 代 表/ | 秋山 孝二(公益財団法人秋山記念生命科学振興財団 理事長) |
平田 修二(公益財団法人北海道演劇財団 顧問) | |
●代表幹事/ | 閔 鎭京(北海道教育大学岩見沢校 准教授) |
●監 事/ | 右谷 誠 |
●事務局長/ | 斎藤 歩(公益財団法人北海道演劇財団 常務理事・芸術監督) |
●幹 事/ | 飯塚 優子(札幌演劇シーズン実行委員会 事務局長) 尾崎 要(株式会社アクトコール 代表取締役社長) 斎藤 ちず(NPO法人コンカリーニョ 理事長) 林 亮一(株式会社トップシーン札幌 常務取締役) 三上 敦(株式会社ノヴェロ 制作部 プランナー) 藤村 智子(札幌劇場連絡会 会長) 小島 達子(株式会社tatt 代表取締役社長) |
●団体会員/ | HBC 北海道放送株式会社 HTB 北海道テレビ放送株式会社 TVh 株式会社テレビ北海道 秋山不動産有限会社 株式会社ノヴェロ 札幌駅前通まちづくり株式会社 札幌駅総合開発株式会社 北洋銀行 北海道銀行 株式会社電通北海道 株式会社クリエイティブオフィスキュー シアターキノ 縄文芸術家集団JAM |
●個人会員/ | 有田 英宗(さっぽろアートボランティア・ネットワーク事務局長) 神谷 忠孝(北海道文教大学教授) 木村 典子[事務局](公益財団法人北海道演劇財団 プロデューサー) |