舞台手話通訳者養成講座in札幌
参加レポート①　

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誰もが気軽に楽しめる舞台づくりをめざし、10月21・22・28・29日の4日間に渡り開催した舞台手話通訳者養成講座in札幌。講座は埼玉県からの参加者も含めた7名が受講。通常の手話通訳とは違う舞台手話通訳や演技について、座学と実習をとおして基礎からしっかり学んでいきました。また、12月24日には発表公演として実際に行われた人形劇の本公演の舞台に立ち、学びの成果を披露しました。
札幌の演劇人と東京で活躍する舞台手話通訳監修者らが連携して実施した、道内では初めての舞台手話通訳者養成講座で受講生は何を感じ、何を学んだのか。受講生の声を紹介します。

「楽しかった」で終わりにせず、舞台手話通訳者としての研鑽を

清水 雅人

　今回の講座はこれまで手話や聞こえない方に関わってきた中でも特に濃い時間であったと感じ、新たな仲間と出逢いにも恵まれて大変充実した講座でした。
　舞台に携わる方々と共に舞台を作り上げて情報保障を行っていくということは今までにない経験であり、新しい世界を開けたと感じております。10月から12月まで、長いようであっという間で、埼玉から北海道への移動ということもあってか合宿という感覚でした。
　舞台手話通訳は一般の手話通訳とは異なり、舞台に特化した表現力が求められると講義で伺いました。講義を受け、発表公演に向けた練習を行っていく中で様々なご助言をいただき、これまでの手話通訳の感覚から改めていくことには悩みました。しかし「感覚を作り直す」という感覚に新鮮さを感じてワクワクする気持ちで臨めました。
　また、吃音があるため手話のみで話したいと当日伝えても、暖かく迎え入れていただけたことは大変嬉しく思いました。舞台手話通訳では聞き取り通訳が主となるこということもあり、聞こえる通訳者の方々と対等に活動でき、吃音者にも通訳のやりようがあると気づけたことも自信につながりました。驕るわけではありませんが、適材適所の枠に私も入れたかなと思っております。
　札幌ろうあ劇団舞夢の皆様からは、地元の手話や舞台通訳としての技術をたくさん学ばせていただき、良い学びとなりました。何気ないお話しをさせていただくだけでも、一つ一つの会話が思い出となっており、ホッと一息という感覚でした。
　発表公演当日は大変緊張しましたが、ご指導いただいた皆様や講座で共に学んできた仲間が一緒にいたことで、楽しくやり遂げることができました。そして、お客様の笑顔を見ることで私も元気をいただけました。講座としては終了となりましたが、今回の経験を「楽しかった」で終わりにせず、今後も舞台手話通訳者としての研鑽を続けていき、聞こえない方々と共に演劇を気軽に楽しめる機会が広がっていくよう尽力していきたいです。
　本講座参加にあたって理解を示してくれ、発表公演を見に来てくれた妻にも感謝しております。公演をきっかけにアクセシビリティについて改めて話し合うきっかけにもなり、夫婦ともに世界が広がりました。
　今回の講座を無事に終了できたのも、私に関わってくださった全ての方々のおかげです。改めて感謝を申し上げます。またどこかで再会できることを信じて、楽しみにしております。ありがとうございました。

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舞台手話通訳者養成講座に参加して

大泉 和歌子


　まず、募集人数が６名ということで、私は舞夢サポーターズに所属していますが受講する資格があるのかプレッシャーを感じつつ応募しました。無事に講座に参加できることになり、とても嬉しかったです。
　初日、受講生たちが全国各地から集まっていることに驚きその心意気に感動し私も頑張ろうと改めて思いました。
　1 日目、清水友陽講師による演劇の基本、演劇経験の無い私にできるだろうかと思いましたが優しい指導でだんだんと緊張もほぐれ、身体の動きや姿勢、発信と受信、実際に台本に気持ちを入れて読む、お芝居を演じることを学びました。おかげ様ですぐに他の受講生とも打ち解けられました。
　２日目、田中結夏講師による舞台手話通訳者の基本、実際に様々な舞台に出ている舞台通訳の経験を基に沢山のお話を聞かせていただきました。 舞台通訳のパターンや立ち位置、お客様に届ける姿勢、表現方法、語彙の選択・翻訳などなど。実践もあり難しさを感じながらも楽しかったです。
　３日目、４日目、河合祐三子講師と矢吹英孝講師による人形劇の舞台手話通訳、事前に頂いた台本を自分で翻訳し２グループに分かれてディスカッションをした時に同じ言葉や文章に対する手話の翻訳が個々で違っていたり、表現方法を相談しあったりしたときに河合講師たちからアドバイスをいただいたのがとても勉強になりました。その後、実際に人形
　劇に合わせた時に翻訳の重要性を感じましたし、表情の出し方や手話をするタイミングが難しかったです。４日目にグループとパターンの変更が決まった時、驚きましたが不思議とまとまっていく感じが四日間の成果だったのかなと思いました。演出の矢吹さんの楽しさを前面に出してお客様に喜んでもらいたいという気持ちが伝わってきました。
　１２月２日の練習と本番の前日のゲネの時に高橋淨さんに指導をしていただきました。舞台上の動き方の迷いなどを相談し解決してもらい気持ち良く本番に挑むことができました。 １２月２４日の本番は始まるとあっという間に終わってしまいましたが、今までで一番良かったと言ってもらえたのが本当に嬉しかったです。私にとってのクリスマスプレゼントになりました。
　人形劇団野良犬＋の方々には何度も何度も合わせていただいて大変だったと思います。そして舞台手話通訳者養成講座を企画、運営、協力していただいたスタッフの皆さんお疲れ様でした。とても良い経験になりました。これからもこの経験を活かして活動していきたいと思います。皆さん、ありがとうございました。

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