「地域と舞台をつなぐクリエイティブ講座」レポート①

基礎編「クリエイティブで地域の課題を解決する術を学ぼう」

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 札幌演劇シーズン実行委員会がJAPAN LIVE YELL project in HOKKAIDO 2022の事業として展開する「北海道シアターカウンシルプロジェクト」。このプロジェクトのメインプログラムのひとつが「地域と舞台をつなぐクリエイティブ講座」です。本講座は本年度「企画力を磨く」をテーマに、多様な視点で実演芸術の持つ力を引き出すことができる地域に根差ざした実行力のある人材の育成をめざしています。
 9月5日(月)にはクリエイティブディレクターの田中淳一氏を講師に迎え、企画づくりの基礎を学ぶ「クリエイティブで地域の課題を解決する術を学ぼう」と題した講座を実施しました。午前は田中氏が地域の課題解決のために行ったクリエイティブワークの実例紹介を交えた座学、午後は実際に企画の立案を行うワークショップの2部構成で進められました。

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 午前中の座学で田中氏は「地域課題を解決するにはハード面とソフト面のアプローチがある。日本は行政機関を中心にハード面(施設やインフラ整備)での課題解決を進めてきたが、ここにきて財政難や施策面で限界が見えてきている」とし、「ハード面ではなくクリエイティブ(ソフト面)で人の気持ちを動かし、経済課題や社会課題を解決する人がクリエイティブディレクター。クリエイティブで解決できる地域の課題はたくさんある」と指摘。その上で、自身が手掛けてきた全国各地の自治体のプロモーション事業を例に挙げ、課題の発見からコンセプトワーク、企画の立案までの流れを具体的に紹介していきました。
午後からは「地域の課題を解決するためのクリエイティブ術には企画を導く手順がある」とし、①着想(課題の発見&コンセプト設定)→ ➁企画(アイデア開発)→③定着(クオリティコントロール)の流れで考えていくクリエイティブディレクターのワークフローを紹介。その上で「札幌市に住む若者の札幌市への愛着心向上」を地域課題とし、この課題を解決するためのコンセプトや企画を受講者一人ひとりが考え発表するワークショップを行いました。

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 講座終了後、「地域のアート&カルチャー人材を地域の課題解決人材につないでいくことに、ものすごく可能性を感じた」と田中氏。その理由を尋ねると「ひとつは、今回の受講生のクリエイティブ力の高さ。いわゆる文化芸術としてのクリエイティブの基礎力が、課題解決へと応用するための技量につながっている。もうひとつは、これは札幌だけでないが、地域では情報発信や課題解決のためのクリエイティブ人材不足は否めないと実感している。文化芸術関係の人たちを対象にクリエイティブの実践講座を行ったのは今回がはじめてだが、彼らを活かしていくともっと地域が豊かになるのではと感じた。ソフト面での課題解決のためにはクリエイティブ人材が重要で、その担い手として地域で文化芸術に携わっている人たちの活用という手もあるのだと感じた」と語っています。

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