アイヌ影絵「NOCIWCIP~ほしふね」レポート④
from 講座受講生

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アイヌ影絵「NOCIWCIP~ほしふね」の魅力を紹介するレポート第4弾は、現在、北海道シアターカウンシルプロジェクトの企画として実施中の「地域と舞台をつなぐクリエイティブ講座」受講生・長岡伸一さん。
今回、「地域と舞台をつなぐクリエイティブ講座」受講生の皆さんには、JAPAN LIVE YELL project in HOKKAIDO 2022で行われるLIVEをひとつご担当いただき、プロモーションや当日の会場運営などをお手伝いしていただく予定で、担当する公演を紹介するレポートも課題のひとつとなっています。
長岡さんは定年退職後、札幌に移住された一般の方。「講座」には演劇や音楽関係者、まちづくり団体のスタッフ、大学生や一般の方と、多彩な受講生がそろっています。今後も個性豊かなメンバーによる多彩なレポートをお届けします。ご期待ください。

長岡伸一さんのレポートは以下のとおり。


「光と闇の世界へ船出したい」

「地域と舞台をつなぐクリエイティブ講座」受講生/長岡伸一

アイヌ伝統歌と影絵がコラボする舞台と聞いて、皆さんはどんな先入観を持つでしょうか?10/5~10/12道内5か所巡演を前に、英国での個展から帰国したばかりのマユンキキさんと、影絵ユニット「ほしふね」(バリ仮面舞踊家の小谷野哲郎さんと物語作家のわたなべなおかさんの2人)をオンラインで結び楽しいインタビューが実現しました。

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 わたなべさんは、「アイヌの歌声と影絵は相性が良い。スピードが速い世の中の観客を、全く違う時間軸の世界へ船に乗せて旅に連れて行ってくれる」と表現しました。すると、原案・構成のマユンキキさんは、「台本通りカチカチきめきめではなく、影絵の二人の動きを見ながら歌い方も変えてゆくのが新鮮でとても楽しめる」と応じ、さらに、客の反応にあわせてパフォーマンスも変化する、と指摘します。「わたしの歌声は周波数的に眠気を誘うらしく、もし本当に寝入ってイビキをかいたら両隣の人が起こしてあげてネ」と一同を笑わせてくれました。白老、美唄、栗山、それぞれ会場となる建物や空間の特色に合わせて独自の舞台が作られるので、上演されるストーリーの結末も必ずしも同じでなく、観る側に委ねられる、と言います。同じ札幌でも会場が違えば作品も変わり、同じ会場でも初日と最終日では違ってくる。観る前に正解を求めてはいけないのです。まさにナマなのですネ。これまで国内外の大舞台でも共演を重ね、アーティストとして互いの信頼感が確かだからこそ、そんな舞台が可能なのでしょう。その予測不能なコラボを地元の様々な準備協力者の熱い想いが支えるので、5か所とも全部を観て回らなきゃ、自分の目でしっかり目撃しなきゃ、とインタビューに参加した皆さんが共通して感じました。最後に僕が、「今後公演に行きたい場所や建物はありますか?」と少し先走った質問をしたところ、マユンキキさんから具体的な会場名が次々にあがり、それをきっかけに、野外、山の中、森の中、星空の下、いろんな動物も出てきちゃう…と皆さんの夢も止まりませんでした。
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アイヌ影絵「NOCIW CIP~ほしふね」の公演情報はこちら
※チケットはお電話で予約できます(北海道演劇財団 TEL.011-520-0710まで)