ごあいさつ

ごあいさつ

樋泉実実行委員会委員長

札幌演劇シーズン実行委員会委員長

樋泉 実

(北海道テレビ放送株式会社
取締役相談役)

 2012年にスタートした札幌演劇シーズン、昨年の夏は、5作品で観客数は8,552人。1シーズンでは、一昨年夏の記録を塗り替え、過去最高の観客数となりました。満員札止めの日も多くあり、観客席も幅広い世代のお客さんに楽しんでいただきました。また昨年10月には文化・芸術の発信拠点「札幌市民交流プラザ」がオープンしました。演劇公演などが出来る札幌文化芸術劇場「hitaru」のクリエイティブスタジオをはじめ、素晴らしい舞台装置が出来上がりました。まさに市民と演劇をつなぐ広場です。各作品についてご紹介します。
劇団千年王國「贋作者」・yhs「白浪っ!」  2009年、「贋作者」で圧倒的な支持を集めTGR大賞を受賞した劇団千年王國と、2017年、歌舞伎「白浪五人男」を原作としたエンターテイメント作品「白浪っ!」でTGR大賞を受賞したyhsが、それぞれ大賞作を引っさげシーズンに参加します。札幌演劇のクオリティの高さを存分に見せつけてくれるはずです。
 劇団千年王國「贋作者」は、多くの人たちから特に再演が望まれていた作品で、今回はその声に応え、たくさんの方々に観ていただけるよう札幌市教育文化会館での再演が決定。
 また、yhs「白浪っ!」は10月末に韓国ソウルでも公演。海外公演を経てさらにパワーアップした「白浪っ!」に出会えそうです。
MAM「父と暮せば」  日本を代表する劇作家、井上ひさしの作品がついにシーズンに登場します。作品は井上ひさしの代表作のひとつである二人芝居「父と暮せば」。MAMによる本作は、2017年に2組のペアで上演され、高い評価を獲得。今回はこの2組に1組を加えた3組での公演をベースに、全出演者をシャッフルしての、その回限りの公演にも挑んでいきます。名作と呼ばれる作品の多くは、戯曲は読むことができても、その作品を実際の演劇で観る機会は決して多いとは言えません。演劇シーズンはそんな名作と呼ばれる演劇との出会いを提供していきます。
トランク機械シアターのねじまきロボットα~ともだちのこえ~」  10月にオープンしたばかりの札幌文化芸術劇場hitaruにあるクリエイティブスタジオでシーズンとしては初めて公演を行います。作品は、小さな子どもから大人まで幅広い世代に楽しんでいただける新しいスタイルの人形劇、トランク機械シアターの「ねじまきロボットα~ともだちのこえ~」です。札幌演劇シーンの大きな特色のひとつである人形劇が、札幌演劇シーズンに登場します!さらに新しい劇場での公演にぜひご注目を!
コンカリーニョプロデュース「親の顔が見たい」  いじめ被害者の親と加害者の親、そして教師たちの姿を描いた問題作「親の顔が見たい」。本作は、2008年に劇団昴によって初演され、09年に鶴屋南北戯曲賞にノミネートもされた、渡辺源四郎商店店主・畑澤聖悟の戯曲で、いまも全国で上演が重ねられています。海外での評価も高く、韓国では12年にソウルで行われた日韓交流リーディングに日本代表として参加し、同年ロングラン上演されたほか、17年には映画化もされている作品です。
 コンカリーニョでは2016年、この作品を大人が演じる大人バージョンと、中高生が演じる中高生バージョンとして上演し、大きな話題を呼びました。今回のシーズンでも大人チーム、そして中高生チームが参加します。
「北海道高校演劇Special Day」  札幌演劇シーズンの特別プログラムとして「北海道高校演劇Special Day」を2019年1月11日(金)に開催します。本企画は、高校生たちの優れた演劇作品を広く多くの一般の方々にも知ってもらおうと、2017年からスタートし、今回で3回目となります。過去にはその年の全道高等学校高校演劇発表大会で最優秀賞を受賞し全国大会への出場を決めた作品を紹介してきました。今回も最優秀賞受賞作品である帯広北高等学校の「放課後談話」を上演します。どうぞご期待ください!

秋元克広札幌市長

札幌市長

秋元 克広

 真っ白な雪が降りしきる北国の冬、札幌が一番輝く季節の到来に併せて、「札幌演劇シーズン2019-冬」が開幕いたします。

 「札幌で生まれた演劇作品をより多くの方に楽しんでいただきたい」との思いから始まった「札幌演劇シーズン」ですが、昨年度は、過去最高の1万5千人を超える観劇者数を記録するなど、多くの方にお楽しみいただくことができました。
開催8年目を迎え、冬の札幌を彩る魅力的なイベントの1つとして定着しつつある「札幌演劇シーズン」の開幕を、心待ちにされていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 札幌では、演劇に携わる多くの方々の日々の研鑽により、一年を通じて素晴らしい演劇作品の数々が創造・上演されています。
 「札幌演劇シーズン」は、それらの作品の中でも、特に評価の高い名作を厳選して再演する、いわば札幌演劇のショーケースです。
 また、「札幌演劇シーズン」では、仕事帰りや学校帰りにでも気軽にお楽しみいただけるように、約1か月間というロングランで上演しておりますので、これまで演劇をご覧になったことがない方や、久しく劇場から足が遠のいている方など、普段演劇をご覧になる機会が少ない方にも最適なイベントです。

 ぜひともこの機会に、ご家族やご友人連れで劇場に足をお運びいただき、厳しい冬の寒さを吹き飛ばすような演者達の情熱溢れる空間で、演劇という生の舞台芸術の魅力を肌で感じていただきたいと思います。

 そして、「札幌演劇シーズン」をきっかけに生まれる未来の演劇ファンや、従来からご支援いただいている演劇ファン皆様方のお力添えにより、一層深みを増していく札幌の演劇文化が、札幌ならではの魅力として、今後より多くの方にお楽しみいただけることを願っております。

 結びに、「札幌演劇シーズン2019-冬」のご成功と、札幌の演劇振興に携わる皆様方の今後ますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。

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