ごあいさつ

ごあいさつ

樋泉実実行委員会委員長

札幌演劇シーズン実行委員会委員長

樋泉 実

(北海道テレビ放送 代表取締役社長)

 前任の荻谷忠男委員長を引き継いで、札幌演劇シーズン実行委員会の委員長を仰せつかりました。よろしくお願いいたします。

 このプロジェクトを支えているのは演劇を愛し、演劇のチカラを信じて札幌や北海道をもっと豊かな地にしたいと願っている、熱きメンバー達です。平成24年度から始まった札幌演劇シーズンも今回で12シーズンを迎え、年を追うごとに、来場者数も増えています。昨年度は来場者数も夏・冬合計で1万1892人。開催初年度に比べると153.2%の数字になりました。

 2017-冬シーズンは演劇創造都市札幌プロジェクトによるトークショーから始まりました。出演は80年代後半から90年代前半にかけて札幌の小劇場シーンをリードした鈴井貴之さん、増澤ノゾムさん、斎藤歩さんの圧巻イベント。締切りを待たず満員盛況でした。新聞やテレビなども従来通り大応援団。特筆すべきはホームぺージやSNSのアクセス数も日を追うごとに激増したことです。リアルな芝居はその日で終わるのですが、ネット空間で札幌演劇シーズンは1年365日、24時間年中無休です。「いいね」と個人がメディアになって発信、拡散。ゲキカンなどの批評や感想が飛び交います。

 高校演劇とのコラボでは平成28年秋の全道高校演劇発表大会で最優秀賞を受賞した北見緑陵高校の「学校でなにやってんの」をかでる2・7で上演、札幌座チーフディレクターの斎藤歩さんや劇団千年王國主宰の櫻井幸絵さんと生徒たちのトークショーも実施、高校生とも演劇シーズンの盛り上げを図りました。またプロモーション活動の一環で札幌開成高校と連携、NPO法人コンカリーニョの斎藤ちず理事長を講師に演劇ワークショップを実施しました。演劇に興味関心をもってもらう企画でもあります。参加した生徒は「ゲキカン!U-18」にも継続して参加してもらっています。多くの演劇ファン、市民に演劇シーズンの活動を知ってもらうことが出来ました。

 このやりとりを見ていると、演劇の楽しみ方が大きく変わり、立体的になってきたのを実感します。札幌演劇シーズンのコミュニティーが出来上がってきたのではないでしょうか。札幌や北海道の地が贅沢なのはすぐにでも話を聞きに行けること、顔が見えることです。こんな演劇コミュニティーは東京のような大都市圏では無理だと思います。

 今期も過去に好評を得た作品が並びます。yhsの「忘れたいのに思い出せない」、パインソーの「extreme+logic(S)」、ミュージカルユニットもえぎ色の「PrincessFighter」、introの「わたし−THE CASSETTE TAPE GIRLS DIARY−」。そして、演劇シーズン2回目の登場となるレパートリー作品、イレブンナインの「あっちこっち佐藤さん」は、かでる2・7で8日間12ステージのロングラン公演です。

 多様な演目はそれぞれがもつ周波数が違います。また過去に上演したものと同じではありません。作り手の新たなチャレンジが組み込まれています。新しい発見があるはずです。スタッフ一同、皆さんと会場でお会いできるのを楽しみにしています。

秋元克広札幌市長

札幌市長

秋元 克広

 さわやかな風を感じる札幌の夏、街は木々の新緑とともに演劇が放つ魅力で鮮やかに彩られます。「札幌演劇シーズン」がスタートしてから6年が経過し、今や札幌を代表するイベントに成長しつつあることを大変嬉しく思います。

 札幌では、多くの劇団が活動しており、過去に上演され、高い評価を獲得した作品が数多くあります。「札幌演劇シーズン」は、地元で作られた優れた作品に再演の機会を与え、かつて観た方にはもう一度、見逃した方には初めての感動を贈る演劇フェスティバルとなっています。

 今回は、初登場の劇団による作品を含む5つの作品が市内3会場で上演されますが、どの作品も札幌で生まれ育った珠玉のものと伺っております。この1か月の会期の間に、是非とも多くの方に演劇に親しんでいただくとともに、演劇が持つ魅力や醍醐味を肌で感じていただきたいと思っています。 「札幌演劇シーズン」をきっかけに生まれる新しい演劇ファンと、従来からご支援いただいている皆様方のご声援が、札幌の演劇をより大きく成長させてくれることでしょう。

 さて、札幌市では8月6日から57日間、3年に一度の文化芸術イベントとして「札幌国際芸術祭2017」を開催いたします。会期中には、札幌市内30か所以上の会場で、美術作品の展示、音楽や演劇のパフォーマンスなど、様々なプログラムが繰り広げられます。
会場は、美術館だけではなく、公園、都心部の商業施設や動物園なども含まれており、まち巡りを楽しみながら会場を訪れていただくことで、札幌の魅力の新たな発見や再認識に繋がるのではないでしょうか。
 是非とも市民の皆様、札幌を訪れる観光客の皆様に、芸術の力で沸く札幌の夏を体感していただければ幸いです。

 結びに、札幌の演劇文化のさらなる発展と、「札幌演劇シーズン2017-夏」の成功を心よりお祈り申し上げます。

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