札幌演劇シーズン実行委員会委員長
荻谷 忠男
公益財団法人北海道演劇財団理事
北海道テレビ放送相談役
演劇ファンの皆さん、『札幌演劇シーズン』を毎回ご支援下さいまして、ありがとうございます。2012年にスタートしましたこの演劇の祭典も、おかげ様で5周年を迎えました。東日本大震災の翌年の冬から毎年、夏と冬にそれぞれ1か月間公演してきましたが、このような「シーズン制」は全国でも初の試みで、しかも、札幌で好評を得た作品のみの「再演」という特色が認知されてきました。
この祭典の母体は演劇創造都市札幌プロジェクトです。脚本家、演出家、俳優、舞台装置など「100人の演劇人が活躍する街をめざして」います。
札幌地区には演劇集団が100近くあると言われます。でも、せっかくの演劇活動が仲間内だけの自己満足に止まっていては、もったいない。質の高い公演は北海道の“文化資産”であり、“観光資源”でもあります。「札幌演劇ここにあり」と道内外に発信してもらいたい。そんな思いを込めて演劇シーズンは舞台を提供してきました。
札幌を拠点とした滞在型の観光客は、景色、飲食だけではなく、ファイターズ、コンサドーレ、PMF、シティジャズ、国際短編映画祭、そして演劇シーズンを楽しめる。気に入った劇なら何度も観に行けるのが、シーズン制の特徴です。「創造性あふれる文化芸術の街」作りに地域貢献できると確信しております。
継続は力なり、と申しますが、過去9シーズン38作品の公演で、着実に観客数は伸びています。昨年度は1万1千人を超えました。スタート時の5割増しです。複数の作品鑑賞者や同じ作品のリピーターが目につきます。注目されれば演劇力は上がり、観客増は演劇人の生活の糧になり、いずれは札幌演劇の産業化につながる…プロジェクトを絵に描いた餅に終わらせたくはありません。
皆様のありがたい御支援へのお礼は、充実した舞台でお返しします。今回は、『四谷美談』のyhs以外は、4団体すべてが初登場です。一人芝居あり、人形劇あり、時代を担う若手集団、そして天変地異の昨今、「命」について考える喜劇『八百屋のお告げ』と、多彩な公演です。フレッシュな顔ぶれで、演劇シーズンの幅のさらなる拡充に挑みます。御期待下さい。
札幌市長
秋元 克広
さわやかな札幌の夏の訪れとともに、今年も「札幌演劇シーズン2016-夏」の季節がやってまいりました。
毎回多彩なラインナップをそろえ、季節を彩る「札幌演劇シーズン」の開幕を、心待ちにしていただいている方も多いのではないでしょうか。
「札幌演劇シーズン」は、夏と冬の年2回開催しており、今回で、記念すべき10回目を迎えます。昨年度は、2015-夏と2016-冬の2シーズン合計で、初めて観客動員数が1万人を超えたほか、すべての演目でチケットの完売がでるなど、多くの方にお楽しみいただくことができました。
「札幌で生まれた演劇を、より多くの方に楽しんでいただきたい。」そんな願いを込めてはじまった「札幌演劇シーズン」が、回を重ねるごとに輝きを増し、もはや、演劇に興味のある方だけにとどまらず、広く市民の方や札幌を訪れる観光客の方にも愛される、札幌を代表する文化芸術イベントに成長しつつあることを、私も大変うれしく思っております。
皆様もすでにご存じのとおり、「札幌演劇シーズン」は、札幌で生まれた優れた演劇作品の中でも、評価の高いものを厳選した、いわば傑作ぞろいです。
これまで演劇を観たことのない方にも、“お気に入りの作品”、“お気に入りの劇団”を見つけていただけるよう、今回も多彩な作品をそろえ、劇場で皆様をお待ちしております。
約1か月間ロングランで5作品の公演を行いますので、週末はもちろん、会社帰りや学校帰りに、お友達やご家族連れで、札幌で生まれ、さらに羽ばたこうとしている演劇作品の数々をぜひご鑑賞いただければと考えております。
「札幌演劇シーズン」を通じて、札幌ならではの演劇の魅力をぜひ肌で感じていただき、多くの感動に包まれる素晴らしい夏となりますよう、ご祈念申し上げます。