この作品って、どんな作品?

柴田智之一人芝居「寿」

柴田智之と「寿」について

 酪農学園大学劇団「宴夢」の、今はもう無くなった学生会館での公演に鮮烈にシバタがデビューしたのは、もう15年も前のことだろうか…。失語症者が他者を前にした時に激しい動作をともない叫びになるような身体表現。強烈な存在感の噴出でした。それから折りにつけ彼の表現には注目してきましたが、ヨーロッパの舞踏ツアーを境に、どうしようもない内面の表出したいという気持ちではなく、「こうすれば表現者として認められるだろう」という絶叫と、身体の激しいゆさぶりを覚えるようになりました。
 ph 厳しい苦言を発したこともあります。
 この「寿」は絶賛ものです。結婚して子供ができて、初めて、他者に興味を持ったようで、「老」と「死」を想像できるようになったようです。「寿」の後半のB次郎さんの人形とシバタの踊る円舞は出色。人形が、シバタに若いころの良き日を伝えて踊る姿に涙します。
 ph  サックスの烏一匹の即興サックスが時には明るく、時には暗く、いろんな風景を想像させてくれます。この舞台から、シバタらしい表現が型になっていくようです。
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安念智康(劇団ドラマシアターども)

1948年江別生れ。江別高校を卒業後、1968年劇団青年劇場(東京)に入団。1971年に中央大学を中退。その後江別に戻り、1976年劇団川に入団。1981年に劇団ドラマシアターどもを創立。劇場を三度移転しながら現在に至る。作・演出家。
1992年札幌座会賞受賞。1993年道銀文化奨励賞受賞。
代表作「トド山第三分教場」「月は何処ぞ雨如何に」「春遠からじ」「花咲く野辺に日は落ちて」2016年8月新作「未知なる遭遇館―おばけちゃん―」公演予定

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