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この作品って、どんな作品?

この作品って、どんな作品?

札幌座「デイヴィッド・コパフィールド」

『デイヴィッド・コパフィールド』を推す

自他ともに演劇通を任じるお方ならばともかく、このタイトルで素直に『素敵なお芝居かも』とチケットを求める人は少ないのではないだろうか。
僕自身そうだったし、好評につき再演と聞いてもその不安は拭えない。だからこそ声を大にして言う、これぞ芝居の醍醐味を凝縮した必見のお芝居ですと。

まず、文豪ディケンズの自伝と聞いて一歩引けますよね?演出家清水君が『原作は文庫本4巻』と語るから、また引けます。もう一言『複雑で重厚な物語』と重ねて清水君からダメ押しされるからもう後ろがないところまで引けちゃいます。
 ph 確かにその通り、何の訂正、補足はありません。しかし、です。『文豪』という肩書を外し、『長大な』物語を2時間弱で観れるドラマと置き換え、『複雑で重厚』という表現を波乱万丈、魅力的な人間群像と置き換えたらどうでしょう?
片田舎に一人の人間が誕生し、辛酸を舐めた幼少時代から様々な職業を経て、愛することも知り、同時に愛に傷つき人間として成長していきながら小説家として大成するまでの半生を描く。そして彼の家族親族、その周辺に散りばめられた人物が実に多彩、個性的で魅力的なのだ、と書けば幾分かは不安は解消しませんか?これは、あなたの家族周辺のドキュメンタリーかもしれません。
 ph この芝居、とにかくスピーディーです。小気味いいのです。何のてらいもない真っ向勝負のストレート劇の演出、七変化の役者たち、そしてシンプルな舞台装置ながら、僕たち観る者の想像力はドンドン刺激される、そうこの想像力を掻き立てられるから、芝居の醍醐味の凝縮と僕は書きたかったのです。多分、映画との違いは、ここにあると僕は思いました。清水友陽のエポックメイキングな作品と確信します。
 ph 劇場一杯に18人の役者が登場、さらにそれぞれが何役(時には動物にも)も掛け持ちし、ボリューム溢れる舞台を作り上げているのも見もの。役者世代が幅広いのも札幌では珍しい。そのことによって醸し出す重厚な人間模様は、万華鏡の如しです。下手くそな(失礼!)音楽も実に味があります。
再演を迎え、役者たちの演技と音楽(!!)に、一層磨きが掛かっていることを期待したい。

※写真は稽古中の札幌座の皆さん

蔵 隆司

前財団法人神奈川芸術文化財団専務理事兼事務局長。現在は札幌市内中央区伏見にある音楽カフェ宮越屋珈琲 「パリアッチ店」の店主を務める。演劇創造都市札幌プロジェクト代表幹事。

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