劇団紹介

実験演劇集団 風蝕異人街

札幌、アトリエ「阿呆船」を拠点に東京でも活動。寺山修司作品の上演を目的に旗揚し、未だにアングラという言葉で形容される魂の叫びを発しつつ、独特の妖しさと色彩感覚を放つ演出が定評。劇団のコンセプトは「NOWHERE,NOBODY(どこでもない。何者でもない)」場所や人にこだわらない、「無国境・無国籍」という理念で芝居づくりをしている。利賀演出家コンクール優秀演出家賞受賞を機に翻訳劇、古典劇も上演。身体訓練メソッドに取組み、身体詩劇の上演やワークショップも行っている。2012年ソウル小劇場祭、2013年テジョン演劇祭に招聘され無言劇を上演。

WEBSITE : http://www.geocities.jp/ijingai/index.html

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こしば きこう

こしば きこう

実験演劇集団 風蝕異人街 主宰
劇作家・演出家

『青森県のせむし男』において、寺山修司は東北の土着性を描くため、思想としての故郷を脱出し、その遺棄を図って還らざる決意を自らに課した。この作品で描かれた寺山の貪欲で清冽な触手とその感覚は、彼の思想と共にその言葉を練磨しているのだ。そしてこの作品は、現代のギリシャ悲劇のごとくに「子殺しのカタストロフィ」で一致している。父は常に死者であり哀れな存在であり、時として軽蔑と揶揄の対象であった。だからこの物語の母と息子の関係は、結語として今日的な子殺し的惨劇が暗示されているのである。だが、せむし男松吉はまぎれもない不具者であり、先天的に罰せられた一人の息子の象徴として、その笑みによって自分の母親を罰するのである。つまり、息子の幻によせる母親の血の呪いに、今日的修羅からの再出発の契機を見るのである。

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